今のバイトを始めたときのこと。
Mさんという初老の男性の先輩に教わりながら2人で作業をしていたのですが、定時までに仕事が終わりませんでした。
これは今なら分かるのですが、仕事を始めたばかりの自分の作業スピードがかなり遅かったことが原因の一つです。
でも、当時の自分はそんなことも分からないまま、「作業量が多くて辛いっス、これなら早出をしたい!」ということを社長の奥様に相談。
奥様は自分たちがやっている作業がどんなものかは知らないので、「とりあえず社長に伝えておきますね」となりました。
後日。
自分の携帯に社長からの電話が。
「この前、自分が要望したことについて奥様から話は通っているだろう」と思っていたので、その件についての話があるかと思いきや・・・。
社長は「話は聞いたけど」と前置きした後、その件には特に触れず、別な部署への移動とそこで一緒に働くことだけを告げて電話は終了。
電話中、自分は「アレ?自分の要望はどうなったんだろ?」と思いましたが、当時から社長も忙しい身ということもあり、あえて聞きませんでした。
これまでの人生、こういうことをゴチャゴチャ聞いて相手の怒りを買ってしまったことも数多くあるので(笑。
ただ、それでも心の中にはこちらが要望したことについて何も返答しない社長に対し、モヤモヤした気分はありました。
「なんで何も言わないんだろう」と。
その後。
そういう気持ちを抱えながらも社長と3~4カ月一緒に働きました。
例の件については気にはなりつづけていたものの、「社長から話がなければわざわざ聞かない方がいいような気がする」とも思っていたので、大人しくしていました。
そしてそれから数カ月。
いつしか1人で全ての作業をするようになったわけですが、ここでようやく、社長が自分の出した要望に対して何も言わなかった理由が分かりました。
それは
「基本1人でやる作業を、初心者を教えながらとはいえ2人でやっているのだからキツイわけがない」
という真実に気付いてしまったのです(笑。
だから社長は何も言わなかったのだと。
と、なればなぜ当時、定時に仕事が終わらなかったのか?ですが、これは先に述べたように自分の作業が遅いことが一番の原因でした。
5年ぶりの社会復帰+はじめての調理作業。
物がどこにあるのか分からず仕事の段取りも把握できていないため、当時は今と比べて各作業において3~4倍の時間がかかっていました。
それと、Mさんが手をガッツリ抜いていたことも原因の一つですね(笑
バイトであるMさんにとっては、定時で終わるよりも30分くらい残業したほうが稼げて都合がいいわけです。
そのため、仕事を定時で終わらせることにこだわっていなかったんだなぁと、今なら分かります。
とはいえ、そんなMさんの行動や考えに腹が立つことはありません。
だってMさんが適度に手を抜いて自分に作業をやらせてくれたおかげで、自分はキツイ経験が出来たわけです。
「もうダメだ、終わらない、辛すぎる」と本気で考えるくらいの。
それにより仕事を必死に覚えましたし、「もうキツイ思いはしたくない」と各作業のスピードアップも真剣に考えました。
その結果、1人で作業できるようになった今があります。
これがもし、定時に作業が終わるようにMさんが手を貸していたら・・・。
「あ、そんなに急がなくても大丈夫だ」なんて自分は考えて、後でとんでもなく苦労することになったかもしれません。
それを思うと、最初にキツイ思いをさせてもらってちょうど良かったのかなと。
まぁその結果、2人で作業しているから楽なのに、それに気づかず上の人間に相談するという愚行をやらかしてしまいましたが(笑。
でも、今はこれも勉強になったと思い、今後は何かを言うにしても、しばらくは様子を見てからの方がいいと痛感しました。
最初は不慣れなこともあって辛いことやキツイこともありますが、慣れてくればたいしたことなかったという作業も間々ありますし。
よく分かっていないくせに吠えてしまうと恥をかくことになる。
アホみたいなことを言っていた昔の自分を振り返ってしみじみ考えさせられました。
[4回]
PR