2016年にバイトを始めた当初。
すでに完全な中年とはいえ立場は新人のため、なるべく自分からよく社員やパートさんに挨拶をするように心がけていました。
そんな中である日出会った自分より少し年下の男性社員(Sさん)。
まだバイトを始めたばかりで、作業内容や職場のことは何が何やらまったく分からない状況でしたが、自分はSさんの見た目の雰囲気や、やっている作業内容から「社長の右腕的なポジションの人なんだ」なんて思っていたのです。
こんな感じのイメージ
でも先日。
職場でパートさんたちと話していると、そのSさんが1月付けで退職したという話を聞いてビックリ。
「重要なポジションを任されていたのになぜ?」と思って更に話を聞いていくと・・・実はSさん、社長の右腕なんてポジションではなく、対人恐怖症で接客などが大の苦手。
それゆえ表に出ない日陰者的な存在で、以前からたびたび「退職したい」なんて話をする方だったようです。
これを聞いて、自分の眼力の無さをつくづく思い知りました。
「どんだけ人を見る目がないんだよ」と(苦笑。
で、Sさんが辞めた理由ですが、まずはその苦手な接客などをたまにやらされることになったのがずいぶんとイヤだったみたいです。
人手不足で常に苦しんでいる店としてはやむを得ないことだったのですが、やはり苦手なものは苦手なわけで・・・。
そして次にというか、決定的な退職理由となったのは、長時間労働で疲弊しきったとのこと。
毎日12時間労働で肉体的にも精神的にも限界に達し、「次の仕事は決まってないけど、とりあえずゆっくりしたい」ということで辞めていったみたいです。
まぁ、これはSさんが独身というのも大きな要因ですね。
もし家族がいるとなったら、こんなことは出来ないでしょうし。
と、こんなことがあったと知った後に最近読んだこの記事。
この記事に寄せられているコメントを読むと、「飲食業界ではこういうのが当たり前になっている」なんて声を目にしましたが、これはまさにこのとおりで自分のバイト先もそうです。
社員たちは月に数回の休みはあるけど、出勤すれば基本12時間労働。
ヒマでも営業時間が決まっている以上、その時間は開けておかねばなりません。
だからめったに早上がりすることもないとのこと。
それを聞くと、「俺には無理だな」と毎回思います。
それというのも、いま自分がバイトを続けられている大きな理由としては、5時間勤務と短いからだと常々思っているのです。
実質、いつも自主的に早出して6時間働いてはいますが、それでもこの時間だとバイトが終わって家に帰れば充分に休む時間があります。
つまりきちんと気持ちをリセットする時間があるのです。
そのため、仮に何連勤になっても耐えることが出来ます。
毎回、「家に戻れば一休み出来る」と思えば、そんなに根性がなくてもやれるもの。
でもこれが12時間になったら・・・。
疲労は今までの3倍じゃ効かないほど溜まるでしょうし、家と職場の往復で気持ちをリセットする余裕もありません。
しかもそれが仕事を辞めない限りは何年も続く・・・。
だから今回、Sさんが辞めた理由に自分は深く納得出来るのです。
ちなみにですが、今年に入ってからパートさんや店長から「kanimisoさんも社員になったら」と軽く言われました。
これは今までいた社員の1人が諸事情によりバイトになり人手が少なくなったためのようですが、自分は「いえいえ、自分にはとても務まりませんから・・・」とやんわり断りました。
先に述べたように、12時間勤務にずっと耐えきる自信はありませんから。
自分の体力と精神力なら、3ヶ月ぐらいで限界を迎えると思います。
Sさんが辞めた理由を踏まえてみても、やはり誰もがこの長時間労働に耐えることが出来るわけじゃないと思いましたし。
だからこういうことを普通にやっている友人たちや、世の中の人たちは本当に立派だと思うと共に、それが出来ない自分は悲しいけどダメな人間なのだと再認識した次第です。
[5回]
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