先日放送していた「NHKスペシャル 老人漂流社会 『親子共倒れを防げ』」を見ました。
最近、働き盛りの世代の子どもが失業して高齢の親を頼るというケースが増えているようですが、自分もこのパターンです。
だから他人毎ではなく、いろいろと考えさせられながら見たわけですが・・・・・・。
自分がまず気になったのは、80歳の父親と45歳の息子のケース。
年金を毎月9万5千円+生活保護(家賃や医療費の免除)を受けて生活していた父親の下に失業して転がりこんできた息子。
すると、息子が入ってきたことで収入があると見なされて生活保護が打ち切りに。
かといって45歳の息子が好きな仕事を選べるわけもなく、荷物を運搬する日払いの仕事しかありません。
しかもその仕事は不定期。
更には打ち切りが決まっているとのこと。
こうなると後は高齢の父親に頼らざるを得なくなり・・・・・・。
この父親は「息子がいれば安泰だ」と男手一つで息子を育ててきたそうですが、現状に対して、
「厳しいな、現実は。若い時にこうまでなるとは思っていなかった」
とつぶやいていました。
60歳の定年まできちんとタクシー運転手として働いていたのにこの現状では、確かに厳しいですよね・・・。
次に気になったのは69歳の父親と66歳の母親、そして30代後半の息子と娘がいる4人家族。
夫婦の年金は合わせて12万円。
子どもたちを夫婦共働きで育て上げ、息子や娘が自立した後は「穏やかな老後」が待っていると思っていたそうですが、現実は二人とも結婚せず非正規の仕事をしながら自宅暮らし。
父親は定年後も子どもたちを養うために働いており、母親は子どもたちに
「いまお父さんがいるうちはいいよって。あとは困るんだよっ」
とは言っているそうですが、それ以上のことはなかなか言えないようです。
先月、同じようなことを親から言われた自分としてはかなり堪えました。
娘は近所のスーパーで午前中にアルバイトをしており、スタッフからの問いかけに
「面接にアチコチ行きました、でもダメだった。思い通りにはならない」と答え、続けて
「小さい頃は何も知らずに理想とか言えますけど、大きくなったら現実が見えてくる」
と言った瞬間、それを聞いた自分は深く頷きました。
コレ、ほんとうに娘さんのいうとおりで、要は30代とかになってから心が折れると立ち直るのは容易ではありません。
現実が見えている分だけ。
『甘え』と言われればそれまでですが、実際にこういう立場になると、ここから這い上がる術が見えないから苦しいものなのですよね。
そしていつしか人生を諦めてしまう・・・、この娘さんもどことなく魚が死んだような目をしていました。
自分と同じです。
と、こんな感じで番組を見ながら久々にブルーな気分になっていったのですが、自分が「ん?」と思ったのは、定年まで真っ当に働いた人でもこんな老後を送らざるを得ないという現実。
いや、これが自分のように30代から働いてなかったとかなら分かるのですが、どちらのケースとも父親は働いていたのに、今は非常に苦しい老後になっている。
お金の使い方とかいろいろあるのかもしれませんが、この現実を見たとき自分は
「格差社会すぎる・・・」
と思いました。
お金が有る人は使い切れないほどあるのに、無い人はとことんないというか。
何十年も働いたのなら、あとは安心して暮らせる社会でもいいと思うのですが、実際は・・・。
この番組で年金だけでは暮らしていけず、病院に行くことも出来ない高齢者を見た自分。
いまでさえこんなに悲惨なのですから、自分が同じような年齢になったとき、社会がどうなっているのか考えると暗い未来しか見えません。
子どもが減り続けて年金も更に減ることを想像するともうね・・・。
金のない人間が長生きすると辛い時代が近づいてきていることを実感した次第です。
[10回]
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