父は飲んだ後のシメにラーメンをよく食べています。

６０代になっても豪快な食生活というか・・・。

まぁ、元気なのはいいことなので、この事に対して不満はありません。

ただ、数ヵ月前からちょくちょく気になることが。

それはラーメンを作った後に残されている「はさみ」。

どうやらはさみでスープの袋を切っているようなのですが、父がラーメンを作った後、毎回必ず刃にスープの液体がついたままになっており・・・・・・

これを見る度、中学時代に父から、

「液体をつけたままにしていたら刃がさびるじゃねえか！！」

と激怒された出来事を思いだす自分。

「そんなにキレなくてもいいじゃん」と思いながら、この後は必ず拭き取るようになりました。

２０年たっても忘れていません（笑。

と、くれば普通ならここで、

「お父さん、ちゃんと拭き取ってよ！」

と注意をしそうなものですが、今の自分にそれは出来ません。

そんなことを言ったら家を追い出されるほどキレられる可能性が大。

働いていない自分に発言権はありませんから。

だから毎回、そのスープがついているはさみを見る度に自分はそっと拭き取るだけ。

「おれがこうやって拭き取れば、何もかも丸くおさまるんや・・・」と言い聞かせながら。

ただ、この出来事には別なことも考えさせられました。

それは父も老化したという事実を。

４０代のころは自分に注意するぐらいだったのに、６０代の今はそういうこともやらないぐらい衰えてきたんだなぁと。

だからこの先もっとボケてくることを考えると、かなり怖いものがあります。

でも、親が今もこうやって五体満足で介護を必要としていない状態を考えれば、それだけで十分幸せなことなのでしょうね。

これ以上を求めるのは贅沢というものなのでしょう。

こういう日常の何気ないことでも、親の衰えを感じる昨今。

老いは誰にでも来るもので、どうしようもないのだと感じます。

だから俺は今後もはさみを拭き続け、それ以外の後始末も色々やることになるのでしょう。
ま、面倒を見てもらっている分を少しでも返せるように頑張ります。
けしてキレずに。

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