自分がやっている調理の仕事は、大量の食材を扱います。
毎回の作業では何十キロもの食材を煮たりしています。
バイトを始めてまた一カ月もたたないころ、最初に1人で作業を始めようとしてガスに火をつけると「ゴォーッ!」といういつもとは違う音が聞こえてきたことがありました。
「あれ、変なタイミングで点火しちゃったかな」と慌ててレバーを閉じて火を消し、再び点火し直したのですが・・・。
しかし、その「ゴォーッ!」という異音は消えず。
何回かやり直しても状況は改善されないので途方に暮れていると、そこに社長が出勤してきました。
状況を説明してガスの火を見せると、「ガスバーナーの部品の一部が正常な位置じゃないから不完全燃焼になっている」とすぐに見抜いた社長。
対処法を教えてもらい、その後は同じような不具合が発生しても対応出来るようになりました。
が、このとき自分が真っ先に思ったことは、「仕事を始める際、必ずガスバーナーが正常に点火するかのどうかの確認が必要だ」ということでした。
何十キロもの食材や水を寸胴に入れてガスバーナーの上にセットした後、点火して不完全燃焼に気付いたとしても1人で寸胴を降ろすのは不可能だとすぐに分かったからです。
社長やMさんから「毎回やる前にガスの点火具合を確認しろ」という指導を受けたことはこれまで一切ありませんでしたが・・・。
心配性の自分は常に確認するようにしていました。
そしてきょう。
いつものようにカチッと火を付けて、ガスの点火状況を確認。
5秒ほど火を出して問題なかったので、そのままガスバーナーの上に寸胴を載せて食材を入れて水を入れ・・・とやって点火すると、それから20秒後、異音と共に火の出方がいつもと違うことに気付きました。
「そんなバカな!」と焦る自分。
もうこの状況では、先に述べたようにやり直しが効きませんから・・・。
「頼むから普通に戻ってくれ!」と心の中で叫びつつ、レバーを閉めたり開けたりして点火と消火を繰り返しました。
しかし、何回やっても点火してから20秒後に不完全燃焼になる状態。
つまり、もっとも起きてほしくないトラブルが発生した瞬間でした。
この時点で職場には自分1人しかいません。
そして、1人で50キロの寸胴を下ろすのは物理的に不可能。
あまりにどうしようもない状況に思考が停止しかけ、とりあえず社長に電話して応援を頼むかどうかしばらく悩み続けました。
2人でならこの状態でも何とか寸胴を下ろせるかと思って。
しかし、社長は常に激務に晒されている身。
出来ることなら電話したくはありません。
そんなことを3分ほど1人で立ち尽くしながら考えました。
このときは答えが見つからないだけに、けっこうな絶望感を味わっていました。
が、3分後。
原始的な解決策に気付きました。
それは水や食材を取りだして寸胴を軽くし、ガスバーナーから降ろすこと。
おそらくこれを読んでいる皆さまの中には「当たり前だろw」と思う方もいるでしょうが・・・これをやるのがとんでもない手間+ほんとうは好ましくない行為なのです。
そのため、自分はこの考えに至るまで時間がかかりました。
しかしすでにこのときは、このトラブルを解決しない限りきょうの作業が一切進まないという追い込まれた状況。
そのため、もう腹をくくってその作業をやることにしました。
その結果、10分後にはガスバーナーから寸胴を下ろすことに成功。
ガスバーナーを確認してみると、触ってみなければ分からないほど、ほんのわずかに部品がずれていました。
5秒ほどの点火では問題ないけど、それ以上の点火になると影響が出てくるという不具合だったようです。
このパターンはバイトを始めてから初。
勉強になりました(笑。
と、こんなことがあり、きょうの仕事は押せ押せでてんやわんやでしたが、何とか無事に終了。
いつもよりも疲労感が半端なく死ぬほど疲れましたが、一つ分かったのは自分がやっていた確認作業は必要なものだったということでした。
というのも、ここ最近、「ガスの点火をいちいち確認しなくてもいいかな」なんて思い始めていたのです。
社長やMさんからそういう指示がない=滅多に起きないことで確認するだけ無駄なこと、なんて考えはじめていましたが、きょう復旧作業で合計20分ほど時間を取られて地獄を見たことにより、先に確認しておくことが必須だと身を持って知りました。
もっとしっかり確認しておけば、30秒で済んだのに・・・・・・。
事前のチェックというのはバカに出来ませんね。
これからは面倒くさがらず、しっかりチェックしようと思います。
むろん、適当にではなく目を凝らして手でしっかり触って(笑。
[5回]
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