俺のバイトの時間帯はワカテ君という人と、月におよそ半分ずつ担当する形で行っています。
そしてこれまではそれで問題なく行われていたのですが･･･。
ここにきて、それが何だか危うい感じに。
その原因はワカテ君が悪いということではなく、俺との連携がちょっとうまくいっていないことだと感じたので、先日、ワカテ君と情報の共有をしたいということで会いに行きました。
まぁこんなことをしても時給が発生するわけではないので、完全なるただ働きです（笑。
直接対面する前日。
最初は「予告なしで行っても問題ないかな」とも思いましたが、どんな人か分からないこともあり、念のため彼のタイムカードに、「今後の作業のやり方について共有したいことがあるので、明日の○時ごろ来ます」とメモを残しました。
これならワカテ君も多少は心の準備が出来ますし、俺が来ると分かっていて問題行動をすることもないだろうという考えたのです。
とはいえ･･･正直かなり不安でした。
更に以前聞いたことがあるのは、バンドをやっていて独特の髪型だということ。
そのため俺の中では、いかついガタイをしていてモヒカンのDQNといったイメージがありました。
その上、一般的な常識や良心を持ち合わせていないというか。
だから例えば俺が仕事のことを説明しに行っても、下手したら聞く耳を持たず、
「うるせえぞ！おっさん、なんで同じバイトのおめえに指示されなきゃいけねえんだ。ぶち殺されてえのか！！」
ぐらいの逆ギレをされる可能性もあると本気で考えました。
というわけで、こちらも相手が２０代の若造とはいえ、限りなく低姿勢で怒りを買わないように注意して説明することにしました（笑。
で、当日。
伝えていた時間通りに職場に到着。
店の換気扇も回っており、中で誰かが作業している様子も見て取れたので、そのまま店内へ。
「おはようございま～す」と挨拶をしながら入り、作業中のワカテ君を確認。
見た目は俺の想像とはまったく違う、細身のすらっとした若者でした。
そして
「はじめまして、kanimisoです。きょうは作業のことで共有したいことがあり･･･」
と伝えると、
「あ、はい、ワカテです。よろしくお願いします」
と至極まっとうな返事が。
暴言を吐かれることも覚悟していた自分は少しここで安心しました（笑。
挨拶を交わした後は、一通り作業について共有したいことを確認。
ワカテ君は俺の素直に話を聞いて、今後の作業内容について納得してくれました。
反抗されることも想定していたこちらとしては少し拍子抜けでしたが･･･。
でもまぁ、本当に変な奴だったら同じ時間帯に働くことはないとはいえ同僚としてイヤなので、まともな人で良かったと思いました。
しかし、ここで思ったことがもう１つ。
それは、「見た目普通で敬語が使えるような子でも、あんなバイトテロをやらかすんだな」
ということ。
これはけっこう怖いことだと思いました。
見た目がおかしかったり、普段からの言動に問題があるような奴がそういうバイトテロをやらかすなら分かりますが･･･。
この日、いろいろと会話した限りでは、ワカテ君にまったくそういう素振りは見られません。
むしろ好青年の部類に入ります。
だからあの一件が起こるまでは、社長や奥さんが気付かなかったのも仕方ないと思いました。
そりゃ普通に信頼するよなと。
次回につづく
[6回]
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