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「終わった漫画家」を読んでみた

 

 数年ぶりに福満しげゆきさんのマンガを買いました。

   

帯の「才能が枯渇しました」という一文に、恐怖を覚えながらも興味を持たずにはいられなかったのです(笑。
まぁ、書いている福満さんは書いている漫画を原作にした映画が作られたりしている、漫画家の中では間違いなく成功者の部類に入る方なのですが。
 
 
 で、読んでみると、これがまぁ面白い。
読む前はもっと絶望的な救いのない話かと思いましたが、内容は一発当てた漫画家が再起を図りつつ、マンガ家の立場や資産を目的にしている若い女性2人が絡んでくるというストーリー。
そこに「一発当てたマンガ家」のその後の人生というか、苦悩が非常にリアルに、そして分かりやすく描かれています。
心の中の様々な葛藤を巧みに表現しているのです。
昨今、ネット上でもそんな感じで苦しんでいるであろうマンガ家さんを見かけることもあるだけに、これは身につまされました。
 
 
 と、そんな漫画家のリアルを描きつつも、このマンガに登場する女性たちの思考や行動はかなり妄想的。
読んでいる最中にも、「いやいや、いくらなんでもこんな女たちはいないだろう」と思わずにはいられないのです。
しかし、福満さんの画力が以前より上がっていて女性たちが魅力的に描かれていることもあり、そんなありえないような設定も受け入れてしまうというか。
「終わった漫画家」の部分は限りなくリアルであり、女性たちの部分はとんでもなく妄想的。
この二つが絶妙に混ざり合い、非常に面白いマンガになっています。
正に福満さんしか描けない作品。
 
 
 以前、福満さんのマンガは定期的に買っていたものの、いずれの作品も途中で読むのを止めてしまいました。
どれも面白いのだけれど、「続きがどうしても読みたい」ものではないというものではなかったからです。
しかしこの「終わった漫画家」は・・・・・・。
どういう展開で進んでいくのか非常に気になります。
2巻以降も読んでいこうと思います。

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