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ベンツ3台がスープに溶けたというので・・・

 
 つい先日、Amazonで予約注文して買った本がおととい届きました。


 
プロレスラー川田利明さんの
「開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を
失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える
してはいけない逆説ビジネス学」。
 
 買うきっかけになったのは、Twitterで見かけたから。
昔から川田さんのファンというわけではなかったのですが、
本の紹介のキャッチコピーの1つとして書かれていた
「そして俺はベンツを3台、スープに溶かした・・・・・・」
というのに非常に惹かれました(笑。
また、自分の中ではプロレスラーとして全盛期のころのガッチリとしたイメージがあるだけに、現在のすっかり肉が痩せ落ちた姿に妙に真実味を感じ、
「真剣にラーメン屋をやっているんだな」
と思い、買ってみました。
 
 で、1日でサラッと読ませていただきましたが・・・。
ネタバレになるので中身について細かく書くのは控えますが、とても面白かったです。
全日本プロレスに入団した当初の寝る間もないようなちゃんこ番の話、馬場社長や三沢さんとのエピソード。
プロレスラーからラーメン屋になる経緯、そして実際にラーメン屋を経営してみて分かる恐ろしい現実など。
俺も飲食バイトを始めてから知ったことはたくさんありますが、それと共通する部分もけっこうあり、
「やはり何事も実際にやってみることで分かる」ということを改めて実感しました。
 
 それと、この本の中で特に共感させられたのは、「お客様で苦労する」という部分。
川田さんも本の中で述べられていますが、結局のところ、ほとんどのお客様は良い人なんです。
困った人というのは極一部。
しかし・・・この極一部の人というのが厄介なもので。
何でも「自分の都合のいいルールに解釈する方々」。
で、こういう人たちを相手にするのは本当に大変なんです。
俺も正社員時代にこういう困ったお客様を相手にして、心底苦労させられました。
とにかく一般常識が通じない、マイルールを平気で押し通そうとする。
そういうのがあると、店側としてはそれ以降は同じことがないように注意書きを増やさざるを得ないという・・・。
 
 本の中で川田さんの店の券売機の画像があります。
そこには
○○して下さい」 「○○は出来ません」
といった類いの注釈の紙がベタベタと大量に貼られているのですが、それを見た時、最初は、
「うわぁ、こりゃあまりにゴチャゴチャ貼りすぎでしょ」
と感じました。
ほんとうに一般的な店ではありえないほど、ゴチャゴチャと注釈の紙が貼られているのです。
見た目にも汚いぐらい。
でもこの本を読んでいって、そうなってしまった理由がよく分かりました。
例であげれば、普通は一人につき一人前の料理を頼むものですが、中には一人前の料理を10人で分けるということをしたお客様もいたそうです。
このことを知った後だと、ベタベタと紙が貼られた券売機の画像にも違和感を覚えなくなりました。
むしろ、
「あ~これぐらい徹底してやらないと、店が回らなくなるんだろうな」
と、なんだか同情にも似たような気持ちになりました。
 
 と、そんな感じでこの本では川田さんが10年間の経営で体験したことがたくさん詰め込まれています。
お客様として利用しているだけでは絶対に知り得ない、店側の苦労のようなものが。
これを読むことにより、その経験の一部を取り入れることが出来るので、本当にこれから「ラーメン屋をやろう!」なんて思っている方は是非読んでみるといいかもしれません。
よくある「成功しか書かれていないラーメン屋開業のススメ」読むよりも、はるかに役に立つと思います。
そもそも、川田さんも本の中で言っておられるのですが、この手のノウハウ本読んだだけでそんな人気店になれるなら、日本中のラーメン屋が行列だらけの人気店になっているはずですしね。
 
 で、この本を読んで心が折れず、「俺ならやれる!!」と本気で思い込めるぐらいだったら、ラーメン屋をやればいいと思います。
俺は「仕込みから営業で1日12時間立ちっぱなし」や「定休日の日でも仕込みをしなくちゃいけない」等のエピソードを見て心が折れました。
体力勝負となったら、今のバイトでヒーヒー言っている俺の体力では無理かなと。
1400円で良い勉強が出来ました。
これからもおとなしくラーメンを食べる側でいようと思います(笑。

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