連日テレビを賑わせているこちらのニュース。
見ていると15年前、友人が大学を卒業した後に初めて就職した会社のことを思いだしました。
もうかなり昔のことなので記憶もおぼろげなのですが・・・、いい機会なので記事にします。
その友人は大学を卒業する際は就職活動がうまくいかず、地元である仙台に戻ってから就職をしました。
就職した会社は、食品を販売する個人経営の小さな会社。
実家暮らしで親からのプレッシャーなどもあり、就職が決まったときは非常に喜んでいました。
営業を担当することになり「俺はこれからやるぜ!」みたいなオーラが、自分の目から見ても分かるぐらい。
だから頑張ってほしいなぁと思っていたのですが、その後の友人は日を追うことになんだか元気がなくなり・・・・・・。
勤め始めてから2週間ほどたったある日、あまりに最初のころとは違うので「どうした?会社でなにかあったの?」と友人に聞きました。
すると、当初は「いやいや、別になんでもない」という感じで話題を変えようとしていたのですが、それでも何か変なので聞いてみると、現在働いている会社について友人が重い口を開き話し始めました。
友人は営業で飲食店を周り、既製品のそばやうどんなどを販売していたそうです。
はじめての仕事ということもあり、最初は仕事の段取りを覚えるのだけでも必死だったそうですが、ある日のこと、社長から「これを売ってこい」を渡されたそばをよく見てみると・・・なんと賞味期限切れ。
友人は「え?これ賞味期限切れてますよね」と確認すると、その社長は、
「ああ、いいんだ、別な袋に新しい賞味期限打ち込んで持って行けばバレねぇから(笑)」。
と言い放ったそうで・・・。
このときに友人は自分が働いている会社がヤバいことに気付いたそうです。
と、なればすぐにでも仕事を辞めたいところですが、当時でも仕事なんて簡単に決まるものではありません。
せっかく就職したのに、また一から就職活動をするというのは実家暮らしの友人にとってはとても辛いこと。
でも、こんな賞味期限を偽装する会社では・・・。
そんな葛藤の中で仕事をしていたら、そりゃ楽しくはありませんよね。
友人が凹んでいた理由が分かりました。
ただ、それを聞いても当時フリーターの自分はどうすることも出来ませんでした。
社員として働いた経験もなかったので・・・。
後は友人の判断に任せるしかないと思っていたのですが、友人はその後すぐにその会社を辞めました。
やめるきっかけになったのは、その賞味期限が切れたそばなどを下ろしていた店の料理長と友人が話していたときのこと。
料理長が会社の社長をベタ褒めしはじめたそうです。
「いやあ、君のとこ社長さんはほんとうに良い人だよなぁ!こんな激安の値段で卸してくれてさ!うちは大助かりだよ!ありがとうな!!」
というのを聞かされ、実態を知っている友人は良心が耐えられなくなり(笑)、退社を決意したそうです。
ま、普通の人間ならこうなりますよね。
ちなみに、「あまりに安いのなら怪しいと思わないの?」と思う方もいるかもしれませんが、こういうのって「在庫処分品」や「賞味期限が近いから安売り」するというのがよくある話なので、料理長のように気づかない方がほとんどの模様。
腐っていたりせず賞味期限が大丈夫だったら、まずそのまま信じてくれるそうです。
基本的には「そんなことをするわけない」という信頼関係の上で成り立っていますからね。
だから先ほどテレビにて今回の事件に関わってしまったスーパーの担当者たちが何の疑問も感じずに買ってしまった」という話を聞いて思わず納得。
「安くしますからどうですか」と業者から言われて露骨にお得だったら、店側もついついを出したくなりますよね。
と、そんな友人の話を聞かされたのが、今から15年前。
社会人生活1年目にブラック会社へ就職した友人でしたが、いまは一流の会社に勤めて立派に頑張っています。
いま思えばこのときの社長の「人を騙して物を売る」という姿を反面教師にしたのでしょうね。
「もう二度とああいう仕事はしたくない」と本気で思って。
で、最後にですが、今より景気がよかった15年前にこんなことがあったことを思うと、「いまはもっとあくどいやり方が浸透しているだろうな」というのが正直なところです。
たぶん、今回の事件は氷山の一角で、全国ではきっとアチコチで似たようなことがやられていると思います。
この不景気ですからね・・・。
悲しい事ですが、真っ当なやりかたでは潰れてしまうということで、なりふり構わずやっている経営者の方々がいるというのは、想像するに難くありません。
今回の事件に携わったみのりフーズの社長なんか見ると、もうね・・・・・・。
というわけで、これからはどんな食材が安売りされていても気をつけようとは思います。
貧乏人な自分はなかなか我慢するのが大変でしょうが(笑。
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