ここ3年ほどの間、単行本で楽しく読ませてもらっていた入江喜和さんの「たそがれたかこ」がついに完結。
10巻で終わるとは思っていなかったので残念な気持ちもありましたが、最後まで面白かったです。
特に10巻での展開は私的に予想外だったのでかなり驚きました。
45歳の女性が自分の娘より年下の男の子に・・・・・・。
ネタバレになるので伏せますが、マンガだと分かっていながら目を逸らしたくなるようなドキドキ感。
でも「結果はどうなるのか?」が気持ちが抑えきれないというか。
やはり入江さんは希有な才能の持ち主のマンガ家さんだと再認識。
誰のモノマネでもない完全なオリジナルである上、こういう面白いストーリーを作りだせるのは天才だと思います。
と、そんなマンガである「たそがれたかこ」ついて軽く説明を。
主人公は45歳バツイチの片岡たかこ。
別れたダンナとの間に中学生の子どもがいます。
大家をしているアパートに母親と二人暮らしをし、社員食堂のパートと家を往復するだけの生活を送っていたのですが、ある人や好きなバンドと出会い、少しずつ前向きになっていく・・・という話です。
入江さんの前作、アットホームな家族の物語である「おかめ日和」も全巻持っていて、おかめ日和が終わった後に「たそがれたかこ」が始まったことは知っていました、単行本が4巻くらい発売されるころまでは手をつけませんでした。
というのも、「45歳の女性が主人公というのは自分に合わないのではないか」と思って。
しかし、1巻から読み始めたらそんな心配は無用でした。
そしてこのマンガを読んでいくにあたって深く共感したのは、「人って過去のことは忘れられないものなんだ」ということでした。
例えばこの1シーンをご覧ください。
人によっては何とも思わないかもしれませんが、運動神経が鈍くこういうことを言われる側だっ
た自分は速攻で「ああ・・・あるよね、こういうの」と中学校時代のことを思い出しました。
「待ってないで取りにいけよ!」って自分には刺さる言葉です(笑。
また、このマンガで学んだのは、人は生きていれば悩みは尽きないのが当然ということ。
子どもがいる人にはいる人なりの悩みがあり、前向きに生きていこうとすれば恥をかくこともあるといいますか・・・・・・。
でも、そういうのをひっくるめて最後は「これで~いいのダ~」で割り切って生きていく。
そんなことをこの「たそがれたかこ」で感じました。
30代以上の方なら男性女性問わず楽しめる作品だと思います。
肩ひじ張らずに読める良作なので、機会がある方は是非。
[4回]
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