前回のつづきです。
叔母(享年90歳)の告別式に参加するため、母や親戚2人と一緒に葬祭会館へ。
中に入り案内に従って受付へ。
香典を渡し、席に向かうと、そこには叔母さんの息子夫婦が。
俺が赤ん坊~小学生ごろまでお世話になった方々。
このときは特に挨拶を交わすこともなく告別式に参加したのですが、一応俺のことはチラッとは覚えていてくれると思っていました。
が・・・母と一緒に挨拶すると、叔父さんは俺が誰だかイマイチ分からない様子。
まぁ直接会話を交わしたのは、今から15年ほど前。
思っていたよりも忘れられていた存在となっていました(笑。
まぁこれは俺がどういう生活を送っているかも非常に影響していると思います。
例えばこれが、結婚をしてちゃんとしたところに勤めていれば、母と叔父さんは最近も交流があるので、ふとした会話で俺のことを話す機会もあるものなのでしょう。
でも皆さまご存じのとおり、俺はそんな生活は送っていなくて・・・。
おもいっきり「触れてはいけない存在」なんですね。
だからこのときも叔父さんから、
「kanimisoはなんぼになったのや?」
と聞かれ、
「2月で43歳になります」
と答えたのですが・・・。
まぁ向こうが出来る反応は、「もうそんなになるのか」ということだけ。
「今、何の仕事をしているのか」や「結婚とかはどうなんだ」という話題が振れないため、それしか言えないのです。
ここらへんが何とも悲しいし、母には肩身の狭い思いをさせて申し訳なかったです。
本当に俺のような生き方をしてくると、こういうときはどうしようもないと改めて感じました。
と、そんな叔父さん夫婦との接触を負えた後は、後方の席に座ることにしたのですが・・・。
そこで母の従兄弟に当たる女性が母に話しかけてきました。
どうやら他の従兄弟のことなどについて色々と話しているようです。
「ほら、あそこにいるのが茂吉や吉行で・・・」等。
で、親戚付き合いがまったくない俺は、その会話を横で聞いていたのですが・・・。
このとき、その従兄弟の女性が母にこんなことを話してきました
「ほら、あそこにあのハゲ上がった頭が喜助、あの歳になっても結婚もしないで・・・」
それを聞いた母は間髪入れず、
「まぁ今の若い人たちは結婚しない人もいるからねぇ・・・」
と返していました。
これを聞いた時は胸がなんとも痛みました。
心の中でその従兄弟の女性に、
「あ、その結婚しない人間がここにいますw」
なんてつぶやいてしまいました。
ま、これは何の悪意もない発言だと思っています。
やはり昔の人からすれば、結婚するのは当たり前で、俺のような人間はごく少数だったのでしょう。
そういうことを思えば、「日本人男性の4人に1人が結婚しない」という未婚歴が高くなっている今の時代にある意味俺は助けられているのかもしれません。
父や母が生きていた時代でこんな生活を送る俺がいたとしたら・・・。
考えただけで怖くなります。
と、そんなことを考えさせられたりしつつも、叔母の告別式は淡々と進み、無事に終了。
叔父さんに覚えられていないことは中々のショックでしたが、これも自分の生き方の所為。
そしてこういうときに恥をかくことも覚悟していたはずですが・・・。
まぁ実際に味わってみると、けっこうしんどいものがありました。
が、次には祖母の葬式が控えているため、そんなに凹んでもいられません。
母と俺は会食には参加せず、すぐに家に帰り祖母の葬儀に備えました。
次回につづく
[5回]
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