緩和ケア病棟に移る当日。
父と約束していたとおり、8時に病室に到着。
「おはよう」と挨拶すると、父も閉じていた目を開けて、「おはよう」と返してきました。
父の様子は前日とさほど変わりませんでした。
こちらの問いかけには答えられるものの、体を動かすのはだいぶしんどそう。
ほとんどの時間、ベッドに横たわりながら痰を吐くような状態。
ときおり自分に吸い飲みに10~20mlの水を入れるように指示をして、それをチビチビと飲んでいましたが、食べ物が食べられなくなった後に飲めていた水もごくごくわずかしか飲めなくなった様子をみて、自分は、「もうこれからはほとんどの時間、付き添いが必要になるな」と覚悟しました。
この時点で、父は冷蔵庫から水のペットボトルを取り出したりすることもままならないほど弱っていたのです。
当初、父はこの病室を移動する日は看護師さんに荷物運びなどを協力してもらうから、母や自分には、「来なくていい」なんてことを言っていたのですが・・・。
病気の進行スピードというのは、当人も含めて誰にも分からないものだと知りました。
テレビから流れるラジオの音を聞きながらずっと寝ている父を横に、自分は運びやすいように荷物をまとめはじめました。
が、あまり病室に来ていない自分は、どれが父のものでどれが病院のものか分からずけっこう難儀しました。
父にいちいち聞いて確認するのもためらうような状況ということもあり、そのため勘というかだいたいでおおまかに処理(笑。
もし間違っていたら後で戻せばいいと思いながら荷物をまとめ、そのまま病室で待機していると、看護師さんがやってきて、「10時15分に病室を移動します」という説明が。
荷物をまとめたら後は待つしかないので、寝ている父と一緒にずっと病室で待ち続けました。
次回につづく
[2回]
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